2016/4/21 Ubuntu 16.04 LTS(Xenial Xerus)がリリースされました。
主なアップデートは以下です。
主なアップデート
カーネル
Ubuntu 16.04 LTS のカーネルは、長期サポート版 Linux カーネル 4.4 をベースにしています。 カーネル4.4での主なアップデートは以下のとおりです。
ネットワーク関連
- 秒間350万のSYN攻撃に耐えうる、より高速でスケーラブルなTCPサーバーを可能にするlockless なTCPリスナー
- VRF (Virtual Routing and Forwarding)でのIPv6サポート。
セキュリティ関連
- 追加された UEFI 2.5 機能。
- 非特権ユーザでの拡張命令セット(eBPF)の実行と永続的な拡張命令セット(eBPF)マッピングプログラムのサポート
- eBPFのPERFへの統合
- Trusted Platform Module (TPM) 2.0 のサポート。
ブロックレイヤ
- ループバックデバイスのダイレクトI/Oおよび非同期I/Oサポート。
- IOポーリングのサポート(現在はテスト用のみ?)
- Journaled RAID 5(データパリティを別途ログに書き出す機能) のサポート。
メモリ
仮想化関連
ハードウェアサポート
- LightNVMの実装によるSSDの管理をOSに任せるオープンチャネル SSD のサポート。
- 改善された Skylake Windows 8 高精度タッチパッドのサポート。
- Google Fiber TV のリモート コントロールのサポート。
- その他多くのドライバーのアップデート。
- 64 ビット ARM の変更
グラフィックとオーディオ
サービス管理
systemd
サービス管理がUpstartからsystemdへの変更を伴います。
パッケージ管理関連
Snapパッケージ
snapという新しいアプリケーションフォーマットが導入されました。 snapはOSとアプリケーションが分離しているので安全に実行可能です。 従来のdebパッケージとsnapの2つのパッケージフォーマットは互いに共存することができます。 16.04では動作はしますが制限があるようです。
Apt 1.2
Aptが1.2になりました。 重要な変更点としては、HTTP、HTTPS、FTPで外部ネットワークへ通信するときや、その結果を解析するときに、特権を与えられていないユーザー(_apt)を利用するようになりました。
ソフトウェア関連
Python 3
Pythonは3系(v3.5)のパッケージが採用され、標準でインストールされています。 Python2.7もインストールされており、デフォルトはこちらが有効になっているようでした。
PHP 7.0
PHPのパッケージはバージョン7系になっています。 PHPに依存するパッケージは、PHP7への更新に際して、リビルドもしくはアップグレードが必要です。 対応できなかったパッケージはアーカイブから削除されています。(ただし、この処理にはひとつだけ例外があり、Drupal7だけは残っています。)
MySQL 5.7
MySQLは5.7に更新されます。 既存のMySQL環境(5.7未満)で設定ファイルに手を入れている場合、5.7環境に合わせて更新しなければならないところがあります。
Go 1.6
Go は 1.6 系にアップグレードされ、 gccgo は GCC 6.1 rc1 へとアップグレードされました。
仮想化関連
LXD 2.0
Ubuntu 16.04 LTSにはLXD(v2.0)が含まれます。 LXD はシステム全体のデーモン (lxd)、コマンドラインクライアント (lxc)、OpenStack Nova プラグイン (nova-compute-lxd)の 3 つのコンポーネントから構成されます。 Serverインストールを選択したUbuntu 16.04にはデフォルトでインストールされます。
docker 1.10
dockerが1.10になりました。 またLXDの中でdockerを実行できるようです。
OpenStack Mitaka
Ubuntu 16.04には最新のOpenStack “Mitaka”が含まれます。
Open vSwitch 2.5.0
Open vSwitchは最新リリースである2.5.0が含まれます。これはOpen vSwitchのLTSリリースです。
ファイルシステム
ZFS
ZFSがサポートされました。 カーネルモジュールのzfs.koがUbuntuのカーネルにデフォルトでバンドルされており、インストール時に自動的にDKMSでコンパイルされます。そのため自分でビルドする必要がありません。 モジュールをロードして、OpenZFSの管理ツール群であるzfsutils-linuxパッケージをインストールすれば利用可能になります。 なお、現状ではOS初期インストール時のパーティション構成でZFSを選択することはできません。
参考
- XenialXerus/ReleaseNotes/Ja - Ubuntu Wiki
- Linux 4.4 - Linux Kernel Newbies
- 2016年4月22日号 Ubuntu 16.04 LTS “Xenial Xerus”のリリース:Ubuntu Weekly Topics|gihyo.jp … 技術評論社
- Ubuntu 16.04 LTSリリース、ZFSとLinuxカーネルとのライセンス問題はどうなる | スラド Linux
- Linux 4.4 Will Bring Clustered RAID1 & Journaled RAID5 Support - Phoronix
- Linux Containers - LXD - イントロダクション
- https://insights.ubuntu.com/2016/04/15/docker-1-10-with-fan-networking-in-ubuntu-16-04-for-every-architecture/