会議のやり方について試行錯誤していたので、以下の本を読んでみた。
ファシリテートや会議の改善の参考書としてとても良い本だった。 中身は小説形式で書かれており、会議におけるいろいろな問題に直面している入社2年目の女性社員が、ファシリテートのコンサルタントをやっている父親に助言を受けながら、会議のやり方を改善していく、といったストーリーとなっていて読みやすい。 実際の会社に見立ててグダグダ会議の改善に取り組んでいる様はイメージしやすく、その実践するイメージもわきやすいと思った。現実にはスクライブとかはなかなか難しいが、それでもこの本で書かれていたことを試してみようという気にさせてくれる本だと思う。
僕が感じたのは、
- 事前準備は大事だということ。 全ての会議できちんと準備をするのは時間的に難しいが、それでも最低限「会議が終わった後に、参加者はどういう状態になっているべきか」を意識してアジェンダをきちんと作ろうと思った。
- 会議の「目的」ではなく、「終了条件」の明確化 確かに「目的」というのはあいまいになりがちだが、この本では、「その会議を経て参加者がどういう状態になっているべきか?」というのを考えたほうが良いと書かれていた。終了条件の設定例も記載されていてわかりやすかった。
- 会議はみんなで作るということ、そのための参加者の選別 内職している人とかはいらない。その人が「いたほうが良いか」ではなく「いないと何が困るか」を考えてMTGへ呼ぶ。 全員がファシリテーションすれば議論がスムーズになる。ファシリテーションに対する意識、勉強をみんな学ぶと良い。
メモ
* 3万時間----。あなたが生涯で会議に費やす時間である。 * 会議での資料の読み上げ禁止 684 * 会議で一番無駄な時間は「資料を読み上げる時間」 * 資料に事前に目を通してもらうかをその場でザっと黙読して、相談・議論したいポイントだけ話せばいい。 * 会議の目的は非常に難しい 692 * 「目的は議論すること」「目的は情報を共有すること」なんて平気でいう人がいるが、それでは意味がない。やることだけが語られて、何を達成したいかが不明確なままだからだ。694 * 「議論して結論を出したい」とか。「情報を共有して全員が機器を使える状態にしたい」とか、議論や共有の先に何かがあるはずなのだ。 696 * 「目的」という言葉で逃げずに「終了条件」を考えたほしい。 698 * 終了条件の設定例 684 商品開発部門が営業部の課長を集めて、来月発売される新商品について説明会兼打ち合わせを行う時の終了条件の例 * ダメな例 * 新商品の概要を説明する * 惜しい例 * 新商品の概要を理解した状態 * 良い例 * 営業課長が、新商品の概要を部下に説明できる状態 * 営業課長が、新商品がどんな顧客に有効なのか理解した状態 * 営業部門が、顧客に商品を提案できる状態 * 1日10時間活動できるとしても約8年分。* 「会議が終わったタイミングで"決まったこと、やるべきこと"を確認する。」 * 「やるべきことは、"誰が、いつまでに、何をするか"を明確にした方がいい。」 * 単純なことだけど出来ていないことが多い気がするのでちゃんと意識したい。会議が終わったタイミングでやるのが重要と思う。 * 「目指すべき状態を共有しておくことが大事。たったそれだけで、全員が勝手に目標に向かってくれるようになる。これがファシリテーションの考え方」 * 目的等というあいまいな言葉を使わずに「会議の終了条件」を明確にする。 * ファシリテーションのポイント * 事前に終了状態と、プロセスを設計する * 発散-収束のプロセスを踏む * 集まって議論すべきこと、そうでないものを切り分ける * 言い切らせる工夫 1725 * 全員がファシリテーターとして振る舞うとすごく議論が楽になる。 * バージェンスモデル * 課題解決の5階層 * 第1階層「事象」:何が起こっているのか。 * 第2階層「課題」:具体的にどう困るのか。 * 第3階層「原因」:なぜそれが発生するのか。 * 第4階層「施策」:どんな解決策があるのか。 * 第5階層「効果」:どの施策が効果が大きいのか。 * 会議の4つのフェーズ * 準備 事前に会議の準備をするフェーズ。会議室の手配や、資料の準備、参加者への事前連絡はごく一部で、会議の進め方を考えるなどの本質的な準備が必要。 * 導入 参加者を議論のスタート地点につかせること。いきなり議論に入る会議は参加者が迷子になる。「終了条件の確認」と「時間配分の確認」は必要。 * 進行 議論をスムーズに促進し、会議のゴールを達成すること。スクライブをうまくやれると良い。 * まとめ これまでの議論を無駄にしないこと。"決まったこと、やるべきこと確認"。 * 事前準備の状態を示すPrep * Purpose 会議で何を達成したいのか?つまり終了条件の確認。 * Process 会議の終了条件にどんな風にたどり着くのか、土の順番で何を議論すれば良いのか。 * People 終了条件にたどり着くために必要な人を漏らさず呼び、貢献しない人は呼ばないということ。 * Property 会議室を抑える、ホワイトボードやプロジェクター等必要な備品はそろっているか。 * 会議に必要な参加者を決める。 * いた方が良いかではなく、いないと何が困るかを意識する。
本書を読んでのミーティング用のアジェンダの雛形に以下のようなものを使うようになった。
# ミーティングアジェンダ雛形 ## 概要 (目的・なぜやるか) ## ミーティング完了条件 ## 参加者 ## 関連資料 ## 参加者に事前に準備してきてほしいこと ## アジェンダ * xxx * yyy ### 議題1 (10分) ### 議題2 (5分) ### 議題X (5分) : --- ## 議事 ## 決まったこと・次のアクションのまとめ ### 次回ミーティング